【対談】DMM英会話×InstaBiz - "競合"と思われるDMM英会話とInstaBizがDaily Newsを利用する取り組みについて
DMM英会話×InstaBizインタビュー

(左: DMM英会話東京オフィス責任者 須藤啓太 右: InstaBizオンライン英会話マネジャー 岡本雄樹)
須藤:本日は、InstaBizオンライン英会話の岡本様をお招きし、今回「DMM英会話が開発・提供するDaily NewsをInstaBizがレッスンで活用」する取り組みについてお聞かせいただければと思います。よろしくお願いします。
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1.なぜDaily Newsをレッスンに活用しようと思ったのか
2.教材開発という教育機関共通の悩みを解決
3.Daily Newsだからできること
4.提案から導入の流れ
5.これからの両社の展望について
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グローバルに活躍するためには英語力のみならず
【発信力】×【グローバル思考】が大切
須藤:最近、InstaBiz様はサービスのコンセプトをアップデートされたようですね。
岡本:はい。これまではビジネスパーソン向けに、英会話を「教える」ことを主眼としてサービスを提供しておりました。〝ビジネスで使える表現″を学んでいただくこと〝語学力を上達させること″がサービスの目的でした。しかし、語学力の高さと、“グローバル人材”としての活躍は必ずしも比例しないと気づいたのです。英語力はもちろんですが、海外のビジネスパーソンとも対等に意見するためには【発信力】×【グローバル思考】が必要です。

(InstaBizオンライン英会話は業界の常識とは異なり「毎日同じ時間、同じ講師」を特徴とする)
海外では積極的に自分の考えを述べることが求められます。時事問題に関して意見を聞かれたときに「よく知らないし…特にありません」では海外では活躍することができないのです。InstaBizが考えるグローバル人材とは、「グローバルな視点で多様な人々と意見交換ができ、相手との信頼関係を築くことができる人」です。英語力はあくまでツールの一つに過ぎないと考えています。
そのような人材になるためには多くの題材について触れて、学び、意見し続けることが必要だと思い、ディスカッションをメインとした「Thinkerコース」をスタートさせました。
須藤:素晴らしいですね!私も外国人との会話で自分の考えを伝えることができなくて悔しい思いをしたことがあります。自分はこんな人間で、こんな考えを持っているということを伝えるって本当に大切なことだと思います。

(グローバル人材=多様な人々とグローバルな視点で意見交換ができ、信頼関係を作ることができる人)
テキスト開発は教育機関にとって最大の悩みの1つ
教務の業務を減らすことで本業のレッスンに集中できる
須藤:ディスカッション主体のレッスンをやろうと思ったとき、どうしてDMM英会話のDaily Newsを利用しようと思ったのですか?自社で開発することはできなかったのですか?
岡本:もちろんInstaBizにもテキストの開発・管理をする教務担当がいるので、まずは自社で開発できないかと考えました。ただ自社で開発をするためにはいくつかの課題がありました…。
◆ばらつきのない一定の品質
最初の課題は、講師によって教材の「質」にばらつきがでてしま
うことでした。講師がネット上のニュース記事をレッスン中に共有し、内容について講師が考えた質問をするものでした。受講者様のスタイルに合わせてカスタマイズできるものの、講師の‛腕‘によって品質がまちまちになってしまいがちでした。
◆安定的に供給できる量
次の課題はどのくらいの頻度でディスカッション題材を提供できるのかという「量」の問題でした。安定的に題材(ネタ)を更新するためには講師の労力も大きくなります。
◆常に新鮮な記事を配信するスピード
最後は単純に「楽しい」と思えるリアルタイムな内容を配信できるのかというものでした。テキスト化すると普遍的な話題しか入れることができず、‛旬な話題‘を取り入れるのは難しくなります。

(DMM開発のDaily Newsは多種多様な記事が毎日リアルタイムに更新される)
こういった課題の模索をするなか、DMM英会話様のDaily Newsに出会いました。Daily Newsを取り入れれば、さきほどの課題をすべて解決できるのではと思ったのです。Daily Newsは月間約60記事が定期的に配信されます。ディスカッションするネタも政治から日常生活まで様々です。
受講者様からも、語彙力・読解力・ディスカッション力を強化できるだけでなく、単純に読み物としても興味深いとのフィードバックをいただいております。
記事の即時性とクオリティーが非常に高く
“自分が必要とする英会話”を鍛えるコンテンツ
須藤:ユーザー様からも高くご評価いただいているとのこと大変嬉しく思います。毎日配信のニュースサイトなどもあると思うのですが、DMM英会話のDaily Newsが他と違うところがあったのですか?

(DMM英会話のレッスン時に教材を使用したユーザーの6割以上がDaily Newsを選び世界中の講師と会話を楽しんでいる)
岡本:受講者様からの「単純に読み物として楽しい」というコメントが本当にその通りだと思っています。"自分が必要とする英会話"の訓練ができるからなんです。つまり、金融機関の方であればお金や経済に関する記事を、ITエンジニアの方であればシステムやテクノロジーに関する記事を、より身近な内容に関して話すことができるのです。
加えて、記事の最後にあるDiscussion / Further Discussionでは、多角的な視点で物事を考えさせられる質問があります。「自分ならどうするのか」「どんな条件があったらその問題は解決できるのか」「逆の立場だったらどのように考えるでしょうか」など、自分でも思ってもみなかった考えに気づくことができます。
InstaBizでは、あるものごとに対して、Step1-まずは知ること / Step2-自分の意見を述べること / Step3-相手の意見を尊重すること / Step4-お互いの意見を前に進めること によって双方にとってベストな結論を導き出し、Win-winな関係を作れるようになることを目指しています。
DMM英会話のリソースを活用することで
業界の教材開発の課題を解決できる
岡本:InstaBizではDaily Newsを利用することで多くのメリットがありますが、DMM英会話様はどうして自社のコンテンツを提供しようと思ったのですか?

(DMM英会話のリソースを活用することで英会話業界全体の課題を解決できないか)
須藤:ビジネス的な面ももちろんあるのですが、英会話サービスを提供している者として思うところもあったのです。正直なところDaily Newsを毎月60記事も配信するのは簡単ではないです(笑)。教材開発をし続けなければいけないことは教育業界の多くの人が抱える悩みではないかと思ったんです。
DMM英会話の生徒様にレッスン中に使ってもらうことで喜ばれていましたが、せっかく自社でコンテンツを作っているのであれば、そのリソースを活用して横展開できないかとも考えました。そうすることで英語業界の方の教材開発の課題を解決することができる。英会話を学習する生徒さんも、Daily Newsを使うことで英語の勉強にもなるし、最新の世の中のトレンドも知ることができます。質の高いコンテンツを利用することができるので三方がWin-winになれると思います。
英会話を‛学習‘として捉えるとつまらない
会話を楽しみながら日常的に英語に触れる機会を
須藤:そんなことを考えていたときに、ちょうどInstaBiz様から「Daily Newsを使いたい」という連絡をもらいました。
岡本:そうだったのですね!私も自分でコンタクトしておきながら、「うちのような弱小オンライン英会話に返信なんてもらえないよな。同業だしね…」と思っていました。最初は驚きましたよ。DMM英会話様とお話できるなんて思ってもみませんでしたから。本当にタイミングが良かったですね。
須藤:もちろんタイミングが良かったのもありますが、InstaBiz様が考える英会話の理念に共感するところがあったからです。DMM英会話は、英語を学習として捉えるのではなく話していて楽しいと思えることが大切だと思っています。Daily Newsを読むことで世界中の時事ネタを知れる、それがきっかけで様々なことに興味を持つ。英会話が日常に溶け込み、おのずと語学力も高まればいいなと思っています。お互いの理念に共通項があったので、今回の施策の”第1号”になっていただいたんですよ。

(“同業”とみられる両社が手を組んだ経緯について語るDMM須藤(写真左)とInstaBiz岡本(写真右))
これからの英会話教育に求められること
両社が考えるサービスの未来とは
須藤:最近は英語学習方法も多様化しています。その中でDMM英会話が大切にしていることは、世界中の生身の講師たちと触れ合えることが楽しい、英会話学習が楽しい、と感じてもらえること。そうした人が増えるのであれば、同業といわれる企業様と一緒に取り組むことには抵抗はありません。業界全体が盛り上がって、社会全体が成長していけばと思っています。
岡本:同感です。今後、AIが発達して自動翻訳が当たり前になっていくでしょう。そうすると「ただ単に正しい英語を話す」ことはあまり意味がなくなってしまうと思います。課題に対して、自分の考えを伝え、相手がどのように考えているか理解し、どうすれば問題解決ができるのかを発信できる人間力が大切だと思っています。
須藤:そうですね。今の時代では、「正解」ではなくお互いがより沿って「最適解」をみつけることが大切なのかもしれません。お互いによりサービスになれるといいですね。

岡本:本日は貴重な機会をいただきありがとうございました。